今回の記事では
- ストレングスファインダー2.0
の診断結果について、データをまとめつつ、分析を行いたいと思います。
ちなみに、ストレングスファインダーとは
- 米国ギャラップ社の開発したオンライン「才能診断」ツール
です。
Webサイト上の177個の質問に答えて、自分の強みを把握することができます。
データを重視するメンタリストDaigoさんやパレオな男さんなど研究志向の人が、自己分析ツールとして積極的に薦めているなど、評判や信ぴょう性も高く根強い人気があります。
今更ながら私自身この度、ストレングスファインダーをやってみたのですが
- 一般的に多い資質は何なのか?
- 日本人ならではの傾向はあるのか?
- 男女別の傾向は?
といった多くの疑問点がありましたので、色々とデータを漁ってみました。
以下すべて日本語にして表にまとめましたので、自分の診断結果と合わせて参照するとまた違ったものが見えてくると思います。
宜しければ、診断結果分析の参考にしてください。
※また表に関しては、下記サイトで提供している無料配布pdf(色分け分類表)を利用させていただきました。とても使いやすいので、ストレングスファインダー診断後に利用することをおすすめします。
各資質の組み合わせに関しては、こちらの記事を参考にしてください。

1. ストレングスファインダー診断結果(日本人の傾向)
こちらが、ギャロップ社が発表した2018年までの診断結果(日本人のデータ)に基づいた多い順の資質ランキングです。
資質の4分類色分け表を利用しました。
以下、全709906人の回答者が上位5位にもつ資質を多い順に並べたものになります。
いかかでしょうか?
日本人の特徴として、4つの分類(実行、影響、人間関係構築、戦略)のうち
- 赤(人間関係構築能力)が高い人が非常に多い
ことがよくわかります。
具体的な構成比・割合は?
参考までに構成比のグラフも作成しました。
※以下は公式のデータから私自身が計算して勝手に作ったものですので、正確さの保証はしかねます。安易な転用はお控えください。
このようにみると、1つの資質が占めるような大きな偏りは見られません。
ですが、上位11位の資質で構成比の半数を占めており、下位5つの資質は特に少ないと判別できるでしょう。
割合を計算したものが、こちらになります。
※構成比同様に公式のデータから私自身が計算して勝手に作ったものですので、正確さの保証はしかねます。安易な転用はお控えください。
割合(%) | |
最上志向 | 32.55 |
調和性 | 30.75 |
学習欲 | 24.5 |
個別化 | 24.1 |
共感性 | 23.75 |
ポジティブ | 22.15 |
回復志向 | 21.95 |
着想 | 21.8 |
適応性 | 21 |
収集 | 20.6 |
慎重さ | 19.75 |
内省 | 17.1 |
親密性 | 16.15 |
戦略性 | 15.5 |
達成欲 | 15 |
責任感 | 14.7 |
分析思考 | 14.1 |
未来志向 | 13.65 |
成長促進 | 12.9 |
公平性 | 12.05 |
社交性 | 11.5 |
アレンジ | 11.15 |
コミュニケーション | 10.6 |
自我 | 10.4 |
包含 | 10.2 |
目標志向 | 8.85 |
原点思考 | 8.8 |
活発性 | 7.15 |
運命思考 | 6.65 |
信念 | 4.35 |
競争性 | 4.15 |
規律性 | 4.1 |
指令性 | 3.2 |
自己確信 | 3.05 |
2. 日本人に多い資質トップ5は?
以上の結果をまとめると、日本人に多い資質のトップ5は
- 最上志向
- 調和性
- 学習欲
- 個別化
- 共感性
という結果でした。
実行力のグループに属する資質が上位に1つもないというのも、特徴かと思います。
さらに以下、多い資質と少ない資質トップ5分析していきましょう。
日本人のデータに多い資質1位「最上志向」
日本人に最も多い資質は
- 「最上志向」
でした。
「最上志向」の特徴は
- 完璧主義
- ベストを尽くす
- 長所を伸ばすのが好き
といったものです。
ちなみに100以上の地域のデータをチェックしましたが「最上志向」を1位にもつのは日本だけでした。
日本の受験者では、約3人に1人が上位にもちます。
が、世界受験者のデータをみると上から数えて19番目に多い資質(割合は日本の半数以下)―—「最上志向」は日本以外の地域ではそれほど多くの人にみられる資質ではないのです。
ちなみに「最上志向」は
- 「回復志向」と組み合わせになることが非常に少ない
という特徴をもちます。
が、日本人は世界データと比較すると「回復志向」もやや多めの傾向にあるのです。
※ストレングスファインダーの非常に珍しい組み合わせに関しては、此方の記事をご覧ください。

「最上志向」はずば抜けて高く「回復志向」も決して低くはない。
自国ということで着目したのが理由ですが、日本のデータは個人的に興味深いと感じました。
「最上志向」の欠点や割合について詳細は、以下の記事にまとめているので参考にしてください。

日本人のデータに多い資質2位「調和性」
次に日本人の受験者に多かった資質は
です。
「調和性」は
- 平和主義
- 対立や論争は嫌い
- 全体の流れに逆らわない
といった傾向があります。
調和性も、日本受験者の30%以上が上位にもっていた資質です。
ちなみに
- 着想
- 戦略性
の資質を上位にもつ人は「調和性」が著しく低い傾向にあります。
詳しい分析や欠点、各資質との組み合わせについては以下の記事を参考にしてください。

日本人のデータに多い資質3位「学習欲」
3番目に多かった資質は
でした。
「学習欲」は、世界全受験者データでも2番目に多かった資質です。
日本人のデータや男女別のデータとも割合を比較しましたが、大きな差はみられませんでした。
約4人に1人が上位にもっている資質になります。
- 向上したい
- 学ぶことが好き
という欲求は、やはり人間にとって普遍的なものなのかもしれません。
詳しい分析や欠点、各資質との組み合わせについては以下の記事を参考にしてください。

日本人のデータに多い資質4位「個別化」
4番目に多かった資質は
です。
この資質は
- 1人1人の個性に注目
- 他人の強みに気づきやすい
といった特徴をもちます。
世界受験者のデータ(「個別化」は13番目に多い資質)と比較しても、日本人は特に「個別化」の資質をもつ人の割合が多い傾向にあるようです。
- 強みに着目するのが好き
という共通点があります。
(あくまで考察ですが)この点、日本人に多い傾向として顕著に表れた結果なのかもしれません。
詳しい分析や欠点、各資質との組み合わせについては以下の記事を参考にしてください。

日本人のデータに多い資質5位「共感性」
最後、5番目に日本人のデータに多かった資質は
でした。
「共感性」の資質は、他者の感情を察するのが得意という特徴をもちます。
この資質は
- 男女別のデータに大きな差がある
- =女性は男性の倍以上多い
という特徴があります。
日本人受験者のデータをみると「調和性」をはじめ人間関係構築力に属する資質が高いです。
全受験者の男性のデータよりも女性のデータに近しい内容だと感じました。
詳しい分析や欠点、各資質との組み合わせについては以下の記事を参考にしてください。

3. 日本人に珍しい(レア)な資質トップ5
逆に、日本人に少ない珍しい資質トップ5は
- 自己確信
- 指令性
- 規律性
- 競争性
- 信念
の5つでした。
先ほど紹介した表を確認する(※クリックすると戻れます)と、どの資質も
- 5%以下
最も多い傾向にある「最上志向」が30%を超えていることを考えると、これらは上位にもつ人が珍しい資質であることがわかります。
以下、日本人の傾向として珍しい資質TOP5の特徴も確認してみましょう。
日本人のデータで珍しい資質1位「自己確信」
最も珍しい資質は
でした。
この資質は日本だけでなく全世界の受験者においても1番珍しい資質です。
「自己確信」の資質は、その人の「自信」と密接なつながりをもっています。
自分の強みや価値観、そして判断力に軸があるだけでなく
- 人生は自分で決める
といった態度で、果敢に前へと進んでいく行動力も兼ね備えた資質です。
詳しい分析や欠点、各資質との組み合わせについては以下の記事を参考にしてください。

日本人のデータで珍しい資質2位「指令性」
次に珍しい資質とされるのが
です。
日本だけでなく、全世界の受験者データにおいても2番目に少ない資質です。
また「自己確信」と同じく実行力のグループに属する資質になります。
「指令性」は
- カリスマ性がある
- 主導権を握りたい
- 相手を説き伏せるのが好き
といった特徴をもつ資質で、強い存在感をもつ人が多いと言われます。
詳しい分析や欠点、各資質との組み合わせについては以下の記事を参考にしてください。
日本人のデータで珍しい資質3位「規律性」
次に珍しい資質としてあがったのが
です。
この資質は、全世界受験者においては4番目に少ない資質です。
秩序正しさを愛するので
- 予定を立てる
- 日課を決める
- 整理整頓
といったものを強く好むといわれます。
「規律性」の資質の興味深い点は
- 男性よりも女性の方が圧倒的に多い
という点です。
詳しい分析や欠点、各資質との組み合わせについては以下の記事を参考にしてください。

日本人のデータで珍しい資質4位「競争性」
4番目に珍しい資質とされるのが
です。
日本は全世界のデータと比較すると「競争性」が低い傾向にあります。
競争性は
- 競争好き
- 切磋琢磨を好む
- 世界は勝つか負けるか
といった考えによって、自分のレベルを底上げしていくのを好みます。
まるで少年ジャ〇プの主人公のように、ライバルと戦い競い合うことで、高みを目指すという姿勢です。
ちなみに「競争性」は、女性より男性の方が圧倒的に高い傾向にあります。
詳しい分析や欠点、各資質との組み合わせについては以下の記事を参考にしてください。

日本人のデータで珍しい資質5位「信念」
日本の受験者で5番目に珍しかった資質は
です。
世界受験者のデータと比較すると、日本は特に「信念」が低い傾向にありました。
「信念」は
- 倫理観強い
- 使命感と情熱をもって仕事をする
といった傾向にあります。
「信念」は、34の資質の中でもとりわけ地域によって大きな差がみられた資質です。
適職選びの判断にもなりやすい資質だと思います。
詳しい分析や欠点、各資質との組み合わせについては以下の記事を参考にしてください。

4. 全受験者(世界)のデータと日本を比較
こちらがギャロップ社が発表した2018年までの診断結果統計における世界のデータ(20002953人の回答者が上位5位にもつ資質を多い順に並べたもの)です。
特筆すべきは
という点でしょう。
このデータをもとに以下、世界と日本の資質の違いを分析してみます。
※世界でのストレングス・ファインダーのデータに関しては、こちらの記事を参考にして下さい。
5. 世界と日本のデータを比較分析
世界水準で多い資質TOP5と日本のTOP5を並べてみました。
世界 | 日本順位 | 日本 | 世界順位 | |
1位 | 達成欲 | 15位 | 最上志向 | 19位 |
2位 | 学習欲 | 3位 | 調和性 | 6位 |
3位 | 責任感 | 16位 | 学習欲 | 2位 |
4位 | 親密性 | 13位 | 個別化 | 13位 |
5位 | 戦略性 | 14位 | 共感性 | 9位 |
世界と日本両方においてトップ5に入っている強みは
という結果になりました。

日本では特に多くない × 実は全世界受験者には多かった資質
まず日本のデータでは「最上志向」が最も上位に多い資質ですが、世界データでは
が1番多いという結果になります。
「達成欲」は
- 多忙と目標達成
を好むハードワーカーな気質です。
詳しい分析や欠点、各資質との組み合わせについては以下の記事を参考にしてください。

「達成欲」に加えて
の3つの強みも、世界水準でみたときに上位5位に連ねる資質となっています。
が、日本データだと15位、16位、13位、14位と決して多いとは言い難い資質です。
もしかすると、世界というより大きな枠組みで自己分析をするときの基準になるかもしれません。
日本では多め × 実は全世界受験者には少ない資質
反対に日本のデータで多くみられる資質の中から、全世界受験者のデータでみると、それほど多くない資質もチェックしましょう。
まず、1位の「最上志向」です。
これは全世界データにおいては19位と、日本が異例の数値を出しています。
先ほど紹介した、日本に多い資質TOP5に入っていた
も世界水準でみると13位、9位とそれほど多い資質ではありません。
さらに日本のデータで2番目に多かった
も割合を比較すると、かなり高い傾向にあります。
この4つの資質(最上志向、調和性、共感性、個別化)は、とりわけ「日本人」に多いとデータから判断できる資質と分析しました。
他に世界の全受験者データよりも、日本人が比較的高い傾向にあったのが
といった資質です。
詳しいことは、それぞれの資質の説明をチェック(※資質名をクリックすると解説ページに飛びます)してください。
日本と世界どちらのデータでも珍しい資質
最後に、世界水準で少ない資質TOP5と日本のTOP5を並べてみました。
世界 | 日本 | |
1位 | 自己確信 | 自己確信 |
2位 | 指令性 | 指令性 |
3位 | 自我 | 規律性 |
4位 | 規律性 | 競争性 |
5位 | 原点思考 | 信念 |
いかがでしょうか?
世界でも日本でも珍しい資質としてランクインしている
の3つの資質は、極めてレアであることがわかりました。
興味深い点は世界で3番目に少ない資質としてランクインしている
です。
実は「自我」の資質は、日本では決して珍しくなく24位と中間を占めています。
世界水準でみたとき
- 日本人は「自我」がやや高め
の傾向にある分析できるでしょう。

6. 男女別の傾向と日本人のデータ比較
折角なので
と日本人のデータを比較してみます。
※ただし以上の性別データは世界水準のものになります。
先ほどの日本人のデータを横に並べ、より日本人の傾向を判別しています。
※左が日本のデータ、右が世界の男性のデータです。
今度は逆に、世界の女性のデータと日本人のデータを並べてみましょう。
このように比較すると、日本人は他国よりも
- 女性的(関係構築(赤)が多く「競争心」が低い)
な強みをもつ人が多いのかもしれません。
あくまでデータからの推測ですが日本はもしかすると、ガツガツとした男性よりも、中性的な男性の方が多いのかもしれませんね。
※男女別の傾向に関して、詳しくはこちらの記事にまとめました。
まとめ|日本人に多いストレングスファインダーの結果は?
ということで、以上ストレングスファインダーの診断結果を
- 日本
- 世界水準
- 男性
- 女性
の4つのデータをまとめることで、自己分析に活用しやすいようにしてみました。
順に
といった内容でした。
最後に、日本のデータを基準に多い資質ランキングをまとめてみます。
※数字が小さいほど多く、数字が大きいほど珍しい資質です。左から日本、世界、男、女のデータです。
適職診断として、ストレングスファインダーを利用する人も多いと思いますので、当記事が自分の強みについて深く知りたい人の参考になれば幸いです。
各資質の組み合わせに関しては、以下にまとめていますので合わせて参照ください。
ちなみにストレングスファインダーは、以下の書籍を購入し、アクセスコードからネットでウェブの診断テストが受けられます。
※1度使用したコードは再利用できないので、中古本は買わないように気を付けて下さい。
ただし書籍購入でわかるのは、5つの強みだけです。
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またストレングスファインダーに近しい無料診断をお探しの方には「リクナビNEXT」というサイトからできる
がおすすめです。
自分の強みを適切に理解したいという方は、ぜひ参考にしてください。
ということで、当記事が多くの方の参考になれば幸いです。
※引用される際は、必ず当記事を参照リンクとして貼ったうえで、きちんと元データにお目通しくださいね。
それでは当記事がどなたかの参考になれば幸いです。
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