今回の記事では、ストレングスファインダー全34資質の1つ
- 学習欲(Learner)
について解説したいと思います。
各々の資質に関しては、診断コード付きの書籍にも丁寧な解説があります。
※コードは1度しか利用することができないものです。誤って古本を購入しないようにご注意ください。
が、私のように
- もっと詳しく学びたい
- 客観的なデータを知りたい
という感想を抱いた方も多いと思いますので、分析の参考にしていただければ幸いです。
1. 「学習欲」を上位にもつ人の特徴
「学習欲」という資質は
- 向上心が強い
- 学ぶことが大好き
- プロセスを大事にする
といった特徴があります。
新しいスキルや知識を身に着けるのが好きで、職種問わず熱心に学習を続けます。
学習に熱中すると、時間が経つのを忘れてしまうタイプです。
また、内容や結果よりも「学習プロセス」そのものの楽しさを重んじる傾向にあります。
2. 「学習欲」をもつ人の割合
次に「学習欲」という資質をもつ人の割合について、まとめておきます。
2018年までにストレングスファインダーを受けた全世界20002953人のデータによると、上位5位の資質の中で
- 「学習欲」をもつ人の割合
- =約27.95%
- =2番目に多い資質
という結果になっています。
1位の「達成欲」に続き「学習欲」は世界で2番目に上位にもつ人が多い資質となります。
- 男性2位(27.55%)
- 女性4位(26.6%)
割合を確認すると、特に性差によって数値に大きな差はみられませんでした。
- 「学習欲」は3番目に多い資質
- =約24.5%
と世界データ(27.95%)よりやや小さめの数字が出ています。
※また世界100以上の地域のデータを概観したところ、「学習欲」を1位にもつ地域も多くありました。また韓国(「学習欲」は上から8番目)を除くすべての地域で「学習欲」は上位5位の資質に含まれていました。
まとめると「学習欲」は男女データに大きな差はありません。
また、日本は世界データよりも「学習欲」を上位にもつ人の割合がやや少ないということです。
3. 「学習欲」に最も多い組み合わせは?
次は、上位資質の組み合わせを検証してみましょう。
以下「学習欲」と組み合わせになりやすい資質順に並べてみました。
1位 | 達成欲 |
2位 | 収集 |
3位 | 責任感 |
4位 | 戦略性 |
5位 | 内省 |
6位 | 親密性 |
7位 | 個別化 |
8位 | 着想 |
9位 | 運命思考 |
10位 | 分析思考 |
11位 | 調和性 |
12位 | 回復志向、原点思考 |
14位 | 最上志向、アレンジ、共感性、未来志向 |
18位 | 信念 |
19位 | 慎重さ |
20位 | 成長促進、ポジティブ |
22位 | 活発性、適応性 |
24位 | 目標志向 |
25位 | 競争性 |
26位 | 規律性、公平性 |
28位 | コミュニケーション |
29位 | 包含 |
30位 | 社交性 |
31位 | 自己確信 |
32位 | 自我、指令性 |
ということで「学習欲」と上位に入りやすい資質はTOP5は
- 1位:達成欲
- 2位:収集
- 3位:責任感
- 4位:戦略性
- 5位:内省
でした。
※ストレングスファインダーの資質4グループ(人間関係構築力・実行力・影響力・戦略的思考力)ごとに色分けしてみました。
実行力と戦略的思考力にに属する資質が、集中しています。
1番組み合わせになりやすい
- 達成欲
は世界でもつ人が最も多い資質です。
母数が多いので、どの資質とも組み合わせになりやすいのですが
- 目標達成を好む
- 次々と新しい目標に挑む
といった「達成欲」の資質には「学習欲」との類似点もみられます。
さらに特筆すべきは
- 収集
- 戦略性
- 内省
といった思考活動を重要視する資質が、上位に浮上している点です。
特に「収集」の資質は
- インプット好き
- 専門性を極めやすい
といった特徴をもちます。
「収集」と「学習欲」の資質を上位に合わせもつ人は、学者肌の傾向が高いでしょう。
4. 「学習欲」と珍しい組み合わせの資質をチェック
ストレングスファインダーでは、組み合わせを分析する際
- 珍しい資質の組み合わせ
に注目すると、より詳細な分析が可能になります。
「学習欲」と組み合わせになることが少ない資質を順に並べると
- 1位:自我、指令性
- 3位:自己確信
- 4位:社交性
- 5位:包含
という結果になりました。
組み合わせになることが最も少ないのは
- 自我
- 指令性
の2つで、どちらも自己主張を好む性質です。
また
- 社交性
に関しては「内省」「慎重さ」といった資質において、最も組み合わせになりにくいというデータも出ています。
※特に「社交性」と「慎重さ」は組み合わせになる可能性がゼロという数値が出ています。
どちらも、気軽な団体行動を好まない資質です。
「学習欲」の資質もまた、どちらかというと集団行動を好まない傾向にあると推察されます。
また「学習欲」と組み合わせになりにくい資質として
- 包含
が浮上しているのも、興味深い点です。
「包含」という資質は、人間は誰にでも等しく価値があると考えています。
その意味で
- 反エリート主義的
な傾向にあり、学歴や肩書といった要素もあまり重視しません。
一方「学習欲」は
- 向上心が強い
- 資格取得や進学に意欲的
な傾向にあります。
そのため学歴や資格、専門性あるいは向上心といった何かしらの基準を重んじている可能性が高く、「包含」の資質と共存するのが難しいと推察できるでしょう。
この点は「個別化」の資質と、やや重なる点かもしれません。
また以上の資質を「学習欲」とあわせもつ人は
- 珍しい組み合わせをもつ
ということです。
この場合は、「学習欲」がもつ欠点を自ずとカバーできる可能性が高いでしょう。
5. 「学習欲」の強みを仕事選びに活かすポイントは?
「学習欲」の強みをもつ人は
- 意識が高い
- 学びのプロセスが好き
という姿勢が、大きな強みになります。
そのため「学習欲」の資質は、かなり多くの職種で活かすことが可能でしょう。
あえて1つ適職選びのポイントを述べるなら、何らかの
- スキル
- 知識・専門性
を高め続ける「学びのある仕事」を選ぶという点です。
この意味で
- 或る程度の変化
があり、新たな挑戦や学びを得ることのできる仕事がおすすめです。
「学習欲」が指す「学習」は「机に向かってガリガリ勉強をするのが得意」といった単一の意味をもつだけではありません。
「学習欲」とは
- 次から次へと新しいことを学んでいく「過程」に心惹かれる
という性質です。
「学習欲」の資質は、特に
- プロセス>成果
といった考えに突き動かされるものです。
特別な専門家やスキルを掲げる職種ではなくても、例えば
- 外国語習得が必要
- 資格取得を推奨してる
- 新しい業務・スキルを学べる
といった環境があれば、常に向上心をもって邁進できるということです。
また「学習欲」を上位にもつ人は
- 自分にとって最もやる気が刺激される学習法
を確立すると、あらゆる面で成果を上げやすくなるでしょう。
6. 「学習欲」の欠点(弱み)は?
「学習欲」の資質をもつ人の欠点は
- 知ったかぶり
- 生産性が低い
- あくまで成果<プロセス
といった側面がみられる点です。
「学習欲」の資質を上位にもつ人は、学習するという行為そのものに快楽や意義を見出すタイプです。
あくまで
- 成果<プロセス
という考えに基づくので或る程度、学習に取り組めば結果を出す前に満足感を覚えることができます。
そして、次の対象へ興味が移ってしまうのです。
- 1の知識で10を知った気になる
といった傾向もあり、机上の空論を重んじるばかりで生産性は低いといった側面もあります。
よって「学習欲」を適切に活かすうえで重要なのは
- 成果(結果)
を意識するという姿勢です。
これは自分に最も合う学習法を研究して、うまく習慣化することで対策ができます。
例えば、1つステップアップするごとに
- 褒賞(自分にご褒美をあげる)
といった工夫をする、もしくは
- 進捗表を作成・記録する
といった習慣を取り入れて、自分のモチベーションをコントロールしましょう。
余談ですが、私の好きな言葉に
途中であきらめちゃいけない
途中で諦めてしまったら得るものよりも失うものの方がずっと多くなってしまうから
といったものがあります。
まさに「学習欲」に対する警鐘のようだ、と感じるものがありました。
7. パートナーとしておすすめの組み合わせ
「学習欲」を上位にもつ人は
- 学ぶことが好き
といった性質が際立っています。
そのため組み合わせになりやすく相性が良い
- 内省
- 戦略性
- 収集心
といった資質をもつ人と交流すると、どこか気が合うと感じることが多いと思います。
ただしこれらの資質は、属するグループも同じで類似点も多く
- 互いの欠点を補いづらい
ともいえるでしょう。
そのため組み合わせになりにくい
- 自我
- 指令性
- 自己確信
といった実行力のグループに属する資質の意見を聞くと、あなた自身の考えを解きほぐす貴重な機会を得られるかもしれません。
人付き合いにおいても、組み合わせになりづらい
- 社交性
- 包含
の資質をもつ人と肩を組んでみると、まるで目から鱗が落ちるような驚きや新鮮さを得られる可能性が高いでしょう。
またビジネスの場において「学習欲」におすすめなのが
- 目標志向
の人とタッグを組むことです。
彼らは「学習欲」と同じく対象に没入して時間を忘れるタイプですが
- 回り道が嫌い
- 効率性を重んじる
といった強みをもちます。
何よりも「目標志向」は成果をだすことを重んじる資質なので、共に働くことで刺激を受けることも多いでしょう。
8. 「学習欲」の資質をもつ人との関わり方
「学習欲」の資質をもつ人は
- 学びを愛する
- プロセスを大切にする
という強みが、他の人よりも突出しています。
彼らの学習意欲は、仕事や年齢、環境によって左右されるものではなく、ハッキリとした目的に突き動かされるものではありません。
彼らは、学ぶことそれ自体を人生における享楽の1つとみなしているのです。
よって
- 「それ、学ぶ意味あるの?」
といった問いかけは「学習欲」を上位にもつ者にとって、愚問でしかないでしょう。
何故なら
- 「楽しいから学んでる」
そもそも彼らにとって「学ぶこと」に意味や目的など希薄で、ただただ「学んで向上する」という過程が好きなのです。
この力を引き延ばすためにも
- 褒賞制度
を適切に取り入れて、1つ1つレベルアップを喜べるような仕組みをつくるのがおすすめです。
まとめ
ということで、今回の記事ではストレングスファインダーの資質の1つ
- 学習欲
についてまとめてみました。
今回の記事は、こちらの情報を参考元にしています。
資質の組み合わせに関して、こちらのデータを利用しました。
データの内容が気になる人もいると思いますので宜しければ、参考にしてください。