今回の記事では、ストレングスファインダー全34資質の1つ
- 個別化(Individualization)
について解説したいと思います。
各々の資質に関しては、診断コード付きの書籍にも丁寧な解説があります。
※コードは1度しか利用することができないものです。誤って古本を購入しないようにご注意ください。
が、私のように
- もっと詳しく学びたい
- 客観的なデータを知りたい
という感想を抱いた方も多いと思いますので、分析の参考にしていただければ幸いです。
1. 「個別化」を上位にもつ人の特徴
「個別化」という資質は
- 才能発掘が得意
- 1人1人の個性に着目
- 他人の強みに気づきやすい
といった特徴があります。
すべての人が違った個性をもつと、あなたは鋭く察知します。
そして、多大な興味を惹かれるのです。
そのため人を一般化したり、ステレオタイプで括ることを嫌います。
目の前にいる人の考えや拘りに寄り添い、彼らが求めているものをその都度与えるよう個別に対応できるのも強みです。
2.「個別化」の資質をもつ人の割合
次に「個別化」という資質をもつ人の割合について、まとめておきます。
2018年までにストレングスファインダーを受けた全世界20002953人のデータによると、上位5位の資質の中で
- 「個別化」をもつ人の割合
- =約15.9%
- =13番目に多い資質
という結果になっています。
- 男性12位(15.7%)
- 女性12位(17.2%)
と割合で見ると女性の方がやや高くはありますが、数値に大きな差はみられませんでした。
興味深いのは日本人のデータを調べてみたところ
- 「個別化」は4番目に多い資質
- =約24.1%
と世界データ(15.9%)よりも高い数字が出ている点です。
※ちなみに100以上の地域のデータを概観したところ「個別化」が最も上位に位置していたのは、ポーランド・ロシア・スペイン(3番目に多い資質)でした。
この結果から「個別化」は男女によって大きな差はなく、世界データより日本の方が上位にもつ人の割合が多い資質といえるでしょう。
3. 「個別化」に最も多い組み合わせは?
次は、上位資質の組み合わせを検証してみましょう。
以下「個別化」と組み合わせになりやすい資質順に並べてみました。
1位 | 学習欲 |
2位 | 達成欲 |
3位 | 戦略性、親密性 |
5位 | 責任感 |
6位 | 共感性 |
7位 | 収集 |
8位 | 着想 |
9位 | アレンジ |
10位 | 運命思考 |
11位 | 回復志向 |
12位 | 分析思考、成長促進 |
14位 | 最上志向 |
15位 | ポジティブ、調和性、未来志向、活発性、コミュニケーション |
20位 | 適応性 |
21位 | 内省 |
22位 | 社交性、競争性、原点思考 |
25位 | 信念 |
26位 | 慎重さ |
27位 | 規律性 |
28位 | 目標志向、包含 |
30位 | 自我、指令性、公平性 |
33位 | 自己確信 |
ということで「個別化」と上位に入りやすい資質はTOP5は
- 1位:学習欲
- 2位:達成欲
- 3位:戦略性、親密性
- 5位:責任感
でした。
※ストレングスファインダーの資質4グループ(人間関係構築力・実行力・影響力・戦略的思考力)ごとに色分けしてみました。
ちなみにここに上がっている資質は、世界でもつ人が多い資質TOP5
- 達成欲
- 学習欲
- 責任感
- 親密性
- 戦略性
と、ほぼ一致しています。
全体を見ると、世界データよりも
- 共感性(6位)
- 成長促進(9位)
- 運命思考(10位)
といった人間関係構築力に属する資質が上位に位置しているのが印象的です。
が、他の資質と比較すると「個別化」は、特別に組み合わせになりやすい資質というのは存在しないといえるでしょう。
4. 「個別化」と珍しい組み合わせの資質をチェック
ストレングスファインダーでは、組み合わせを分析する際
- 珍しい資質の組み合わせ
に注目すると、より詳細な分析が可能になります。
「個別化」と組み合わせになることが少ない資質を順に並べると
- 1位:自己確信
- 2位:自我、指令性、公平性
- 5位:目標志向、包含
という結果になりました。
組み合わせになることが最も少ないのは
- 自己確信
- 自我
- 指令性
- 目標志向
といった資質は、スタンドプレーや自己主張を得意とする資質です。
自分よりも他者の個性に目を向ける「個別化」の資質とは組み合わせになりにくいといえるでしょう。
そもそも上位にもつ人が少ないので、特に不思議はありません。
興味深いのは
- 包含
- 公平性
といった一見、組み合わせになりそうな資質がみられることです。
意外!「個別化」 が「包含」と上位組み合わせになりくい理由
基本的に属するグループが同じ資質は
- 上位の組み合わせになりやすい
という結果が出ています。
特に
- 人間関係構築力
に属する資質は類似点も多く、合わせて上位資質にもつ人も多いです。
それなのに、なぜ
- 個別化 × 包含
の組み合わせは珍しいというデータが出たのでしょうか?
理由として挙げられるのが「包含」という資質の長所であり欠点でもある
- 無差別
という気質です。
「包含」の資質は、すべての人に価値があると信じています。
この考えの根本にあるのは
- 人は皆、違うから良い
というよりも
- 人は皆、同じなのだ
というものです。
「包含」の資質が、他者との違いに驚くほど寛容なのは、なぜか?
それはどれだけ違うように見えても、根幹において人間存在は等しく同じ価値や性質を共有してると信じているからです。
同じく「包含」と組み合わせになりにくい「公平性」も似たような側面があります。
つまり
- 差異に目を閉じ、核を見る
だからこそ「包含」の資質は驚くほどの寛容さをもって、他者を受け入れるのです。
「包含」の人が
- ○○人は~~な性格
- 男性は~~な気質
といったステレオタイプな言動を好まないのも、同様の理由です。
そのような類型化はバカバカしく、結局のところ人間は皆同じだという大きなスケールで他者を包容するからです。
一方で「個別化」のアプローチは
- 共通点ではなく、差異を探る
という姿勢です。
どんな人にも才能と個性があることを鋭く察知し、それぞれの考えやニーズが微細に異なることに注目します。
人は1人1人、皆違う。
だからこそ「包含」の資質をもつ人は
- ○○人は~~な性格
- 男性は~~な気質
といったステレオタイプ化を嫌い、その大雑把な枠組みに疑問を抱いて、否を呈します。
「包含」と「個別化」の資質は共に、人を受け入れる資質です。
が、実は
- 考え方の枠組みが異なる
というのは、非常に興味深い点だと思います。
もし「包含」「個別化」の資質を上位にあわせもつ場合は
- 差異と共通点
どちらにもレンズを切り替えるように焦点を合わせて他者を理解し、さらに受容できるということです。
それは、まさに類稀なる素晴らしい資質に恵まれているといえるかもしれません。
5. 「個別化」の強みを仕事選びに活かすポイントは?
「個別化」の強みをもつ人は
- 他者の強みに敏感
- ひとりひとりの個性に気づく
という姿勢が、大きな強みになります。
そのため
- 人事
- トレーナー
- マネージメント
といった業務で力を発揮しやすいです。
チームのまとめ役になれば、1人1人の個性を理解して適切に仕事の割り振りができます。
また、カウンセラーやメンターとして個々人に対応するのも向いています。
また「発達促進」の資質をあわせもつ場合は
- 教育関係
の仕事にも向いているでしょう。
注意点としては
- 個性を重んじる性質
ゆえに、あまりに組織的で個を殺すことを求められるような会社は避けるのが無難でしょう。
6. 「個別化」の欠点(弱み)は?
「個別化」の資質をもつ人の欠点は
- 人をグループ化する
- 個人より集団を優先できない
といった側面がみられる点です。
とりわけ個人の差異を大切にする資質なので
- 組織・集団>個人
といった状況を嫌います。
また、人を単純に類型化したりグループに分けることも嫌いです。
こういった要素を伴う業務だと、他の人が苦痛に感じない業務にストレスを感じたり、仕事の進行が遅れる原因になる可能性があります。
これは「個別化」の資質がもつ長所と表裏一体をなします。
その集団が抱える違和感を、適切に察知する洞察力ゆえだと前向きに考え、自分に合う環境を模索するのがおすすめです。
7. パートナーとしておすすめの組み合わせ
「個別化」を上位にもつ人は
- 個性をみる
- 違いを大切にする
といった性質が際立っています。
そのため全体を見て、他者を受け入れる
- 包含
の資質をもつ人とタッグを組むと、互いの違いに刺激を受けながら「他者受容」という共通した方向性をもって、力強く歩んでいくことが可能でしょう。
また
- 発達促進
の資質をもつ人と組むと、人を育てるという分野で大きな力を発揮します。
ビジネスだけでなく、夫婦のパートナシップにおいても
- 個別化
- 発達促進
の2つの資質をもち合わせていると、健やかな子育てが可能になるかもしれません。
8. 「個別化」の資質をもつ人との関わり方
「個別化」の資質をもつ人は
- 個性を愛する
- 人の強みに気づく
という点が、他の人よりも突出しています。
そのため有能なアドバイザーとして、個人の相談に乗ったり、才能を発掘することができます。
もし
- 自分の才能や強みを知りたい
と思い悩んでいるならば「個別化」の資質を上位にもつ人に意見を聞いてみるのがおすすめです。
また
- 人間関係のトラブル
に関しても「個別化」の資質をもつ人に意見を求めると、かなり詳細で適切なアドバイスがもらえる可能性が高いです。
1人1人の状況に寄り添い、決して個人の問題を軽視せずに、微細な眼差しを向けてくれるでしょう。
まとめ
ということで、今回の記事ではストレングスファインダーの資質の1つ
- 個別化
についてまとめてみました。
今回の記事は、こちらの情報を参考元にしています。
資質の組み合わせに関して、こちらのデータを利用しました。
データの内容が気になる人もいると思いますので宜しければ、参考にしてください。