今回の記事では、ストレングスファインダー全34資質の1つ
- 最上志向(maximizer)
について解説したいと思います。
各々の資質に関しては、診断コード付きの書籍にも丁寧な解説があります。
※コードは1度しか利用することができないものです。誤って古本を購入しないようにご注意ください。
が、私のように
- もっと詳しく学びたい
- 客観的なデータを知りたい
という感想を抱いた方も多いと思いますので、分析の参考にしていただければ幸いです。
1. 「最上志向」を上位にもつ人の特徴
「最上志向」という資質は
- ベストを尽くす
- データより優秀を望む
- 才能や得意分野を磨くのが好き
といった特徴があります。
きらりと光る自分の強みを発見したら、それを大切に磨き上げて人一倍輝かせることを望みます。
データでとどまることなく
- 最高のものを創り上げる
この過程にワクワクと胸を躍らせ、いくらでも労力をかけることができます。
一方で、弱みは完全に無視。
自分のもつ才能や強みを卓越したレベルまで引き上げ、最大限に利用したいと考えています。
2. 「最上志向」をもつ人の割合
次に「最上志向」という資質をもつ人の割合について、まとめておきます。
2018年までにストレングスファインダーを受けた全世界20002953人のデータによると、上位5位の資質の中で
- 「最上志向」をもつ人の割合
- =約12.8%
- =19番目に多い資質
という結果になっています。
- 男性18位(12.85%)
- 女性23位(10.75%)
割合を確認すると、特に性差によって数値に大きな差はみられません。
また、世界データや男女別のデータをみると
- 特に多くの人が上位にもつ資質ではない
と判断できます。
ところが日本人のデータを調べてみたところ
- 「最上志向」は1番多い資質
- =約32.55%
というかなり衝撃的なデータを発見しました。
日本人の「最上志向」の上位割合は、かなり特殊!
ここでさらに
- 世界100以上の地域の診断結果
を概観し「最上志向」の割合をチェックしてみました。
その結果、最も多い資質として
- 「最上志向」を1位にもつのは日本だけ
でした。
それどころか「最上志向」という資質は
- 中間もしくは下位
にもつ地域がほとんどで、上位にみかけることがあまりない資質だとも判りました。
また「日本」以外に「最上志向」を上位5位にもつ地域は
- 韓国のみ
です。
それでも「韓国」の「最上志向」の割合は
- 約27.2%(日本は約32.55%)
- 3番目に多い資質
にとどまっています。
つまり大げさではなく、日本の「最上志向」上位割合は
- 世界基準でみると「異常値」
といえるくらいにずば抜けて高いです。
安易な断定は避けますが、日本・韓国に共通する何らかの特異な文化的要因が人々の「最上志向」を促進しているとも推察できるでしょう。
「日本人」×「最上志向」に思うこと
日本において「最上志向」を上位にもつ人の割合が、これほどまでに多いのは何故なのか?
理由は定かではありませんが、不思議と納得してしまう人も少なくないはずです。
というのも、私自身
- 最上志向
の特徴と日本人のデータを一瞥したとき、ハッと脳裏に浮かんだのが
- Made in Japan
という文字でした———それを「高品質」「安心・安全」といったプラスの原産国効果をもつ記述として認識している人も少なくないでしょう。
例えば、日本製の包丁(刃物)は世界でもトップクラスと称され、海外のシェフが惚れ込み愛用するともいわれます。
どこまでも研ぎ澄まされた刃のように、他にも様々な事例をもって
- 日本のモノづくり
が高い水準を誇る、と主張する人も多いでしょう。
ある種の伝統ともいえる、日本人の「職人気質」これはまさに
- 「最上志向」の資質
によって支えられているものなのかもしれません。
3. 「最上志向」に最も多い組み合わせは?
次は、上位資質の組み合わせを検証してみましょう。
以下「最上志向」と組み合わせになりやすい資質順に並べてみました。
1位 | 戦略性 |
2位 | 達成欲 |
3位 | 親密性 |
4位 | 責任感 |
5位 | 学習欲 |
6位 | ポジティブ |
7位 | アレンジ、適応性 |
9位 | 共感性 |
10位 | 着想 |
11位 | コミュニケーション |
12位 | 個別化、未来志向 |
14位 | 収集、活発性 |
16位 | 運命思考、調和性 |
18位 | 社交性 |
19位 | 成長促進 |
20位 | 競争性 |
21位 | 信念 |
22位 | 分析思考、内省 |
24位 | 包含、公平性 |
26位 | 慎重さ |
27位 | 自己確信、原点思考 |
29位 | 規律性、自我 |
31位 | 目標志向 |
32位 | 指令性 |
33位 | 回復志向 |
ということで「最上志向」と上位に入りやすい資質はTOP5は
- 1位:戦略性
- 2位:達成欲
- 3位:親密性
- 4位:責任感
- 5位:学習欲
でした。
※ストレングスファインダーの資質4グループ(人間関係構築力・実行力・影響力・戦略的思考力)ごとに色分けしてみました。
これら5つの資質はどれも
- 世界で上位にもつ人が多いTOP5
の資質と一致しています。
つまり、そもそもの母数が多いので他の資質とも組みあわせになりやすい資質ということです。
4. 「最上志向」と珍しい組み合わせの資質をチェック
ストレングスファインダーでは、組み合わせを分析する際
- 珍しい資質の組み合わせ
に注目すると、より詳細な分析が可能になります。
「最上志向」と組み合わせになることが少ない資質を順に並べると
- 1位:回復志向
- 2位:指令性
- 3位:目標志向
- 4位:自我、規律性
という結果になりました。
これは、非常に興味深い結果です。
というのも最も組み合わせになりにくい資質として
- 「回復志向」が1位
に浮上する資質は、他に存在しないからです。
さらに言及するならば
- 回復志向 × 最上志向
の上位組み合わせは、データ上数値がゼロ(仮にいればレア中のレア)非常に相反する資質なのです。
この4組!最も珍しい資質の組み合わせ【ストレングスファインダー超解説】「回復志向」は、困難やトラブルを解決することを楽しむ資質です。
一方で「最上志向」は
- 完璧主義
- 弱みは伸ばさない
といった側面があり、大きな困難やトラブルを歓迎する性質ではないといえるでしょう。
5. 「最上志向」の強みを仕事選びに活かすポイントは?
「最上志向」の強みをもつ人は
- 職人気質
- 極めるのが好き
- ベストを尽くす
という姿勢が、大きな強みになります。
そのため「最上志向」の資質は、ある特定の卓越した
- スキル・専門性が求められる仕事
を選ぶと、適職になる可能性が高いです。
そのジャンルは、あなたの関心や好みにも大きく左右されるでしょう。
というのも「最上志向」の資質は
- 好き嫌いがハッキリしている
ので、興味関心がなく不得意だと感じるものに時間を費やすことを良しとしません。
なのでできる限り
- 自分の心に耳を傾ける
のを習慣にし、本当に極めたいと思う職種に迷いなく突き進んでいくのがおすすめです。
また弱点よりも
- 長所に目が向かう
という資質なので、他の人の強みを引き上げるような
- マネジメント
- コーチング
の仕事も向いていると言われます。
ただし
- 人間関係構築力
に属する資質が低いと、完璧主義故に他人に厳しくしすぎてしまう側面もあるので注意しましょう。
6. 「最上志向」の欠点(弱み)は?
「最上志向」の資質をもつ人の欠点は
- 完璧主義
- 選り好みする
- 幾度となくやり直す(決して満足できない)
といった側面がみられる点です。
「最上志向」の資質を上位にもつ人は、常に優秀を求めてどこまでも卓越した状態を目指します。
ただし基本的に完璧主義なので
- 他人に厳しい
- 失敗・困難に弱い
- どこまでも自分を追い詰める
といった負の側面も持ち合わせます。
「回復志向」の資質を上位にもつことも少ないため、自己防衛の意味合いも含めて嫌い・苦手と感じた事柄にはあっけなく背を向けます。
また、どこまでレベルを上げても
- 満足できない
というある種の強迫観念を抱きやすいです。
「最上志向」の資質は、まさに「一級」で「最高」といわんばかりの成果を生み、本人にも卓越したスキルをもたらす黄金の卵です。
が、それゆえに自分や周りの人間を追い詰めすぎないように注意してください。
7. パートナーとしておすすめの組み合わせ
「最上志向」を上位にもつ人は
- 特異を極める
- ベストを尽くす
といった性質が際立っています。
ただそれ故に、トラブルや困難に弱いといった側面もみられます。
そのため全く異なる
の資質をもつ人とパートナーシップを築くのがおすすめです。
【回復志向】解決!トラブルはお任せを|ストレングスファインダー超解説問題解決やトラブルシューティングにおいて「回復志向」の資質をもつ人は、まさにあなたの右腕のような役割を果たす存在となります。
また
の資質も「最上志向」の「選り好みをする」「満足できない」といった弱点に歯止めをかけてくれる可能性が高いでしょう。
「目標志向」にとっては
- 成果を出す
- 目標を達成する
という焦点に向かって邁進する資質です。
何か目的をもって物事を達成する際に、必要最低限な行動や基準を「最上志向」に示してくれる可能性が高いでしょう。
【目標志向】一直線!効率重視の没頭型|ストレングスファインダー超解説8. 「最上志向」の資質をもつ人との関わり方
「最上志向」の資質をもつ人は
- 物事を極める
- 強みをどこまでも高める
といった特徴が、他の人よりも突出しています。
そのため
- 強みを評価されるのは好き
ですが
- 弱みを指摘されるのは嫌い
です。
なので彼らの才能を開花させるために、できる限り強みに目を向けて応援するといった関わり方がおすすめです。
また、問題修復にあたる作業は好まない傾向にあります。
壊れたものの修理や、トラブルシューティングといった業務は任せないのが無難でしょう。
まとめ
ということで、今回の記事ではストレングスファインダーの資質の1つ
- 最上志向
についてまとめてみました。
今回の記事は、こちらの情報を参考元にしています。
資質の組み合わせに関して、こちらのデータを利用しました。
データの内容が気になる人もいると思いますので宜しければ、参考にしてください。